コンタクトレンズによる主な目の病気

コンタクトレンズによる主な目の病気

日本眼科医会の調査では、コンタクトレンズによる眼障害を起こした人の約60%が定期的な眼科検診を受診していないという結果が報告されています。最初は軽度なトラブルであっても、悪化すると失明に至る危険もあります。良好な視力を得ためには、自分の目の健康を守ることがとても大切です。

〇ドライアイ

コンタクトレンズ利用者の約90%にドライアイの症状がみられると言われています。角膜がレンズによって空気と遮断されることで酸素不足となり、涙の成分バランスが崩れて涙の質が低下します。涙の質の低下によって眼が乾燥すると、角膜が傷つきやすくなるドライアイの症状が現れます。ドライアイは、単に目が乾くだけではなく、様々な目の病気を引き起こす原因にもなりますので、軽視してはいけません。

 

〇アレルギー性結膜炎

ドライアイと並んでコンタクトレンズによる目の病気として有名なのがアレルギー性結膜炎です。レンズに付着した蛋白質や脂質などの汚れが、花粉やハウスダストを吸着すると目の中にアレルギー物質を滞在させてしまうことになり、結膜炎の原因となります。最近では、PM2.5や黄砂なども問題となっていますので、有害な物質が目の中に入る危険性は高くなっています。

 

〇巨大乳頭結膜炎

主にコンタクトレンズの汚れが原因で起こる結膜炎のひとつです。コンタクトレンズに付着した汚れによって、アレルギー性の炎症が起こり、まぶたの裏側に直径1mm以上のブツブツ(乳頭)を伴う結膜炎が生じます。これを巨大乳頭結膜炎といい、かゆみ、異物感、めやに、痛みなどの症状があります。

 

〇点状表層角膜症

点状表層角膜炎は、角膜の最も表面にある角膜上皮細胞の一部分が欠落してしまっている状態で、皮膚で例えると「擦り傷」になります。角膜の酸素不足やレンズとの摩擦が原因で起こります。自覚症状はありませんが、悪化すると「角膜上皮びらん」に発展することがあります。

 

〇角膜上皮びらん

角膜上皮びらんは、角膜上皮が剥がれた状態で、異物感や目が沁みるといった症状があります。症状が重くなると、激しい目の痛みや充血、まぶたの腫れが起こることがあり、悪化すると角膜浸潤や角膜潰瘍に発展する危険があります。

 

〇角膜浸潤

通常、角膜には白血球がありませんが、炎症を起こした角膜の中に白血球が集まり、角膜が白く濁る目の病気が角膜浸潤です。コンタクトレンズの汚れが原因となることも多く、異物感や強い痛みを伴います。早期に治療する必要があります。

 

〇角膜潰瘍

角膜浸潤が悪化すると、更に傷が深くなって角膜上皮から角膜実質層まで進行して、実質層が一部欠損する角膜潰瘍に発展します。激しい痛みや充血を伴うだけではなく、目の防御機能が低下して、細菌やカビなどに感染しやすくなります。感染症が起こると潰瘍が悪化して、失明に至る危険性もあります。

 

〇角膜内皮障害

角膜の一番内側にある層を角膜内皮細胞といいます。角膜内皮細胞には角膜の内側から水を汲み出して角膜を透明に保つ役割がありますが、コンタクトレンズの長時間使用などによって角膜内皮細胞が減少すると、水を汲み出す機能が低下して角膜にむくみが現れ、角膜が白く濁ることがあります。強い痛みを伴うことがあり、角膜移植が必要になることもあります。ちなみに、角膜上皮細胞は再生しますが、内皮細胞は再生することができません。

 

〇角膜浮腫

角膜浮腫は、角膜の水分量が増加して、角膜にむくみが生じる眼障害です。コンタクトレンズの長期装用などによって、角膜への酸素供給不足が原因で起こります。症状としては、目のかすみ、眩しさ、異物感、痛み、視力低下などがあります。

 

〇角膜新生血管

角膜には血管がないので、空気から涙を介して酸素を取り込んでいます。コンタクトレンズの長時間装用などによって角膜が酸素不足になると、酸素不足を補うために角膜の周囲から血管が侵入してきます。この血管を角膜新生血管といいます。この血管新生の症状が進行すると、角膜に白濁が生じます。さらには視力低下や失明に至ることもあります。ハードコンタクトレンズよりもレンズの面積が大きい、ソフトコンタクトレンズのほうが酸素不足になりやすい傾向があります。

 

〇細菌性角膜炎

細菌感染によって起こる角膜炎を総称して細菌性角膜炎といいます。コンタクトレンズの長時間装用やレンズの汚れによって涙の量が低下すると、目のバリア機能が低下します。涙の不足によって、侵入してきた細菌を洗い流すことができず、細菌が目の中に定着して増殖すると細菌性角膜炎を発症します。症状としては、異物感、目の充血、目のかゆみ、目の痛み、視力低下などがあります。

 

 

 

※コンタクトレンズは、正しく使用すれば非常に便利な視力矯正アイテムですが、使用方法を守らなかったり、定期的な眼科検診を怠ると、時には視力を失う危険性もあることを理解することが大切です。


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